2007-06-04

一人暮らしの禁じ手


今から10年程前。離島でマンネリ化した長期キャンプをしていた時、
「この場とこの機材でできる究極の料理は何なのか?」
などとキャンパー同士で話し合い、結果「天ぷら」ではないかと言う
結論に達した。
もちろんやる事の無くなりつつあった我てらは唯一の楽しみ「食」に
走った訳で、その日の夜に浜で天ぷらをしたのは言うまでもない。
我てにとって人生初の天ぷら作り。
初めは無難な食材を揚げつつ、次第に酒の回ったキャンパー達は
辺りにあった訳の解らぬ野草にころもをつけ揚げ始めた。(旨い)
そして野草を求めて彷徨った誰かがカニを生け捕りにしてきた。
野草<カニ
当たり前のごとくカニは生きたままころもをつけられ、煮えたぎる油中
に投入された。
すると暴れたカニはコッヘルから飛び出し砂にまみれて息絶えた。。。
貴重な犠牲を払い学習したキャンパー達はコッヘルのフタを手にもち
誰かが捕まえてきた2匹目のカニを投入。そしてすかさずフタをする。
「カタカタカタカタ・・・・」
静かになった所でフタを開けるとカラリと真っ赤になった「カニの浜揚げ」
が出来ていた。
それに塩をふり食べる。
「旨い!」
それからしばらくカニ捕獲のために夜の浜を走り回ったのは「あたりまえ」
の話である。

かなり前置きが長くなったが、我ての中で「天ぷら(揚げ物)」は究極の
調理方法だった訳で、一人暮らしを始めて早9年。一度もした事がなかった。

しかし、前例同様マンネリ化してきた自炊生活に新たな一歩をと思い、
今日始めて揚げ物に挑戦した。
我てが記念すべき初揚げ物に選んだ料理は鳥の唐揚げ。
目指すはおふくろの味。
スーパーの見切り品で半額になった鳥もも肉をgetし、おそらく賞味期限の
切れたであろう1年物の自家製ニンニク醤油と、確実に賞味期限の切れた
みりん、飲む用の酒、チューブ入り生姜、おろしニンニク、隠し味のほんだし
に漬け込む。
そして我が自炊の友6inchダッチオーブンに油を張り、ころもをつけ揚げる。
普通はここで揚げ加減や油の温度等に血迷う所だが、居酒屋の厨房で
働いていた経歴のある我て。全ては勘を頼りに調理した。

こんがり狐色に揚がった唐揚げは。。。
期待を裏切る事無く外はカリカリ、中はジューシー。(オチが無くてスイマセン)
自画自賛にすぎないが、「この味なら売れるかもしれない」とまで思えた。
今までの経験(カニから始まり居酒屋の厨房まで)が遺憾なく発揮された
奇跡の味とでも称そう。

それにしても、油壷や揚げ物用トレー(特に要らないが雰囲気が大事)、
油、粉などを買い揃えなくてならず、今日の出費は約¥3,000-
そして作った唐揚げは6個と言う事で、1個¥500- になる計算だ。
普通に唐揚げ弁当が買えてしまうorz
「一人暮らしとは、浪費する為にある。・・・(by我て)」
でも、油を1回で捨てるのはもったいないし、粉もたっぷり余っているので、
また近々唐揚げを作り、単価を下げていく予定。
次回はタルタルソースでも密造するか。。。

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